4月29日(火)(5日目)チロエ島およびモン出航(その1)

 

 今日は夕方にチャカブーコ行きの船でプエルト・モンへ向けて出航する。
 だから夕方までの間にチロエ島を見て帰ってくることにした。

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 ホテルの2階の部屋から見た景色。モロ前が工業港なのである。眺望をうんぬん言う次元ではない。
 

 さて、今日も港もNAVIMAGのオフィスへ行って出港時間を改めて確認しよう。この船を逃すと大変だ。
 ホテルから歩いてほんの数分である。2泊した安ホテルをチェックアウトした。

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 これは紛れも無く今日夕方出航するプエルト・エデン号である。昨日の朝の船とは少し違う。

  

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 朝9時。アンヘルモ手前の土産物店はまだ全て扉を閉ざしていた。

   

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 この馬車の音(馬のひづめの音)は朝からもう何度もホテルの前を往復していた。

  

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 NAVIMAGのオフィスに来た。チケットには17時と書いていたが18時になっている。
 中でチケットを見せて姉ちゃんに確認したら、18時であることに間違いなく、しかもそれは出航でなく乗船開始時間であることがわかった。

 ついでにここで荷物を預かってもらった。

  

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 バスターミナルまで思い切ってミニバスに乗ってみた。ここからターミナルは海岸どおり1本だし大きな分岐はあまり無いから大丈夫と思った。
 一応乗る前に運転手に、「テルミナール デ オートブセス?」と聞いてみた。
 英語に直すと「Terminal of Buses?」である。

 これが自分の最大限のスペイン語能力である。

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 意外にも一応チケットというものがあった。250ペソ。45円である。

  

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 バスターミナルへはほんの2〜3分。これが乗ったミニバス。

  

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 チロエ島へ行くバス会社は3社くらいあって各社とも1日に10便弱から20便くらい運航している。

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 一番出発時間の近かったバス会社を選んだ。

  

 歩き方や別のHPによると、チロエ島は地理的・文化的に長らくチリ本土と隔絶していて独特の文化を形成したとのこと。

 16世紀からスペイン人はチロエ島も含めてチリ本土に広く進出して来たが、17世紀はじめになって。バルディビア、テムコ、プエルト・モン付近は先住民族の猛反撃で土地を奪還される。
 それでチロエ島は本土側の植民地とは分断されてその後300年ほども孤立してしまったとのこと。

 そういう経緯もあって結構有名な観光地になっている。

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 出発前のバスターミナル

  

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 バスターミナルのすぐ裏は線路と海。

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 バスは9時50分ごろ出発した。

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 プエルト・モンから南西にパルグアまでハイウェイで行く。

  

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 途中の風景は牧歌的でのどかである。

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 パルグアではフェリーが待ち構えていた。バス1台分のスペースが残されていてそこにバスが収まるとすぐに出港した。なかなか手際がよい。
 陸上で待っている車は数台いたのでバスは当然ながら決まった時間に予約されているのだろう。

  

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 本土側。

 フェリーが出港するとバスにコーヒー売りが乗ってきた。買ってみたらたったの300ペソ(50円)。儲かるのだろうか。

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 チロエ島はすぐである。右が本土で左がチロエ島。向こうは太平洋である。

 

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 こっちはチロエ島側。

 

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 チロエ島着岸はもうすぐ。

  

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 バス車窓より。上陸したところは片田舎の小さな町であった。

 

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 のどかな風景が続く。

  

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 上陸して20分ほどで左手にきれいな湾が見えた。中央右よりの町が目的地アンクーである。

  

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 こっちは右手。ずっと右手は太平洋である。

 

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 アンクーの町。

  

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 町の入り口付近。まもなく到着。

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 アンクーバスターミナルに到着。11:45ごろ。

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 今日の夕方モンから船に乗るので時間は限られている。先に15:00発の帰りのバスチケットを買っておいた。3時間だけのチロエ滞在である。

 

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 バスターミナル付近。

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 ここは市街から少し離れているようだった。歩き方にもバスターミナルの位置が書いておらず、よくわからないのでタクシーを拾った。

 取り敢えず、サン・アントニオ砲台へ行くことにした。

  

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 サン・アントニオ砲台に着いた。タクシー代は650ペソ。

 帰ってから調べたところによると、ここは1770年ごろイギリスなど諸外国の不審船を監視するために作られたらしい。(当時欧州各国による植民地争奪戦が世界で繰り広げられていた)
 アンクーは当時は南太平洋で最大の要塞都市であったとのこと。
 

 チロエ島は長らくチリ本土とは離れていたが、それを併合しようとするチリ軍に対して当時のチロエの首長(もとは双方スペインからの入植者の子孫であるが)はそれを拒んだため1820年、1824年の2回チリ軍によって攻撃されたとのこと。
その2度の攻撃は退けたが、2年後についに陥落しチロエ島もチリ領土となる。

 現在のアンクーの人口は約2万3千人とのこと。

 

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 砲台の少し奥の風景。

   

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 砲台から町の中心部にブラブラ歩いていく。

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 雰囲気のよい坂道。下ったところはアンクーの港である。

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 アンクー港。

 チリに併合されて以来、重用な港町として栄えたが、1912年にサンティアゴ−プエルトモン間の鉄道が作られるとプエルトモンの港が重要性を増し、アンクーは衰退した。その後チロエ島の首都がアンクーから南のカストロに移った。
 

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 町の中心部付近にあるアンクー博物館。説明がスペイン語のみなのでさっぱりわからない。

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 チロエ島に支配者として入植したスペイン人は布教活動にも力を入れて、先住民もカトリックを受け入れていったらしい。

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 屋外にはなにかガラクタ(?)がたくさん並べられていた。

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 次に中心にある公園の脇の観光案内所へ行ってパンフをもらった。

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 チロエ島は南北250kmもある。長さは四国の東西の長さほどもあるのだ。

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 右端のCがバスターミナル。Jがサン・アントニオ砲台、Eが博物館、Dが観光案内所。

  

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 町の中心の公園。

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 その脇の教会。

  

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 町の中心部

   

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 パンフの地図によると、アンクーから西へ10kmほど行くと太平洋岸の小さな町マーブラバがある。
 そこへ行くと太平洋を見ることができる。

 バスが頻繁に出ているようなら行ってみようかと思って、案内所で聞いたローカルバス乗り場(マーブラバ行き専用)に行ったら1日数本みたいなのであきらめた。
 看板や乗り場に貼っていたパンフから察するにマーブラバにはペンギンのコロニーがあるようだった。それほど寒いところでもないのになんでペンギンがいるのかわからんが。
 ちなみに繁殖時期は夏らしいので今行ってもいないと思うが。

  

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 マーブラバ行きがあったら空腹を押してでも行こうと思っていたが断念したので、レストランへ入って港町アンクーのシーフードを楽しむことにした。
 おばちゃんの呼び込みに誘われてちょっと路地に入ったところにある小さなレストラン。
 おばちゃんの勧めにしたがって出てきた料理は名前は忘れたが貝がふんだんに入ったスープだった。1800ペソ(320円)。

 これはめちゃめちゃおいしかった。腹も減っていたこともあるがダシまで完全に食い尽くした。今旅でもっともおいしかった食べ物である。

  

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 さて、帰りのバスの時間もあるし、そろそろ帰ろう。またタクシーを拾った。
 ほんの数分で着いて降りる時1,000ペソを請求された。なるほど確かに窓に初乗り料金1,000ペソと貼っている。その代わり初乗り距離は長いんだろう。 短距離なので500ペソタクシーでよいところだった。地元の人はうまく使い分けているのだろう。

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 右にバスターミナル。奥の丘が雰囲気のいい景色だった。

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 実はここへ来るときのバス(ケジョンバス)は窓も汚くて車内がやたら臭かったので別のバス(トランス・チロエ)のチケットを買っていた。

 座席は一番前の右だった。たまには前の風景を見るのもいいか。

 結構混んでいて自分の隣にも人が座った。

  

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